Design製作スタイル

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東京環状線

東京都文京区の小石川4丁目と5丁目の境に、「播磨坂」と呼ばれる幅の広い桜並木があります。春日通りの小石川5丁目交差点から下り坂で、千川通りの植物園前交差点まで全長約400m。この短さに対して不釣り合いなほど、幅は約40mもあり、中央分離帯に桜並木を主とした散歩道が設けられています。別名、「環3通り桜並木」。

環3通りとは、既に完成している環状7号線(環7)等と同様に東京に計画された環状道路の1つ、環状3号線の一部なのです。このわずか400mの道路は、いまだ未完成の東京都市計画の遺物なのです。

「播磨坂」の名は、この地にかつて常陸府中藩主松平播磨守の上屋敷があったことに由来します。また、地元では、この道が環状3号線の一部であったことを桜並木の由来と共に説明板へ記しています。

関東大震災(1923/大正12年)後、東京の都市化は近郊へ拡大しました。それに伴い、1927(昭和2)年に当時の東京都市計画区域(ほぼ現東京23区の範囲)を対象として系統的な街路網を決定しました。

この時、現在に至る放射道路と環状道路の枠組みが決まり、東京から四方へ延びる放射道路と、東京駅を中心に半径4マイル(1マイル=1.6Km)以内に5本の環状道路(環1から環5)を、また半径4~10マイルに1.5~2マイル間隔で3本の環状道路(環6から環8)を配置することになりました。ここに初めて環状3号線をはじめ、東京の環状道路の名前が出てきます。

東京初の環状道路となる環状5号線(明治通り)はこの時に整備されましたが、放射状道路と、震災で打撃を受けた下町地区を対象とした帝都復興事業計画が優先され、他の環状道路の整備には至りませんでした。

第2次世界大戦(1941-1945)の後、「戦災復興都市計画」が国から出され、それを受ける形で東京都の戦災復興区画整理事業が1947(昭和22)年から始まります。この中の道路計画は基本的に1927年の東京都市計画街路計画を受け継いでいます。

道路整備は区画整理と一体化され、各地域をブロックに分け区画整理をし、全ての区画整理が終わった段階で、道路網が完成するというものでした。

この区画整理は地方自治体の主導で行われましたが、予算がひっ迫する中、国の補助に依存する部分が多く、駅前整備などの優先度の高いところや、住民の合意が得られたところから順次着手していきました。

ところが、1949(昭和24)年のシャウプ勧告による地方自治事務再配分勧告と同年のドッジラインによる財政支出の切り詰めで、計画の再検討が閣議決定され、道路幅員の大幅減少、国からの補助金の削減が決まりました。そのため、既に区画整理を始めていた地区以外は、未着手のまま計画実施を凍結されてしまったのです。

 先の播磨坂を含む小石川地区は、戦災復興事業が早期に着手され、完成した珍しい地区です。地区内を通る環状3号線部分も当初計画の幅50mが40mに縮小されていますが、この区間だけ完成しています。周辺は道路幅が25mに計画縮小されているものの、事業化の目処は立っていません。

その他の地域で環状3号線として計画されていたところで、現在主要道路として機能しているところは2カ所あります。

1つは、下町地域で「三ツ目通り」と呼ばれている南北の通りと「言問通り」と呼ばれる東西方向の通りの一部です。これは1923(大正12)年の震災帝都復興事業による区画整理で完成していた道路を環状計画に組み込んだものです。

2つめは1960年代、東京オリンピックの為に整備が決まったオリンピック関連道路22路線の中に外苑東通り(環3の一部)、外苑西通り(環4の一部)が復活します。これは既存の道路を拡幅利用した部分が多く、オリンピックまでに新規に完成したのは六本木通りと立体交差する麻布トンネル位です。麻布トンネルは、やはりオリンピック関連道路であった六本木通りの工事に併せて先行工事をした意味合いが強く、北側が先の道路(外苑東通り)につながっていなかったために、しばらく片側2車線のうち1車線しか供用していませんでした。近年、北隣に六本木トンネルが開通し、晴れて芝公園から早稲田鶴巻町までを南北に結ぶ、環3の西側部分が曲がりなりにも完成したことになります。

なお、8本の環状道路計画の内、全通しているのは、環状7号線(環7通り)のみです。以下に環状道路の内、現在の供用路線名を記しておきます。都心側では都市計画路線と通称名の通りが必ずしも一致するわけではありませんのでご注意を。

 

環状番号 主な供用部分の通称名
環状1号線 内堀通り(部分)
環状2号線 外堀通り(部分)
環状3号線 外苑東通り(部分)、言問通り(部分)、三ツ目通り(部分)
環状4号線 外苑西通り
環状5号線 明治通り
環状6号線 山手通り
環状7号線 環七通り
環状8号線 環八通り

 

 

 

 

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